コラム

【かんたん解説】なぜホワイトニングで歯が白くなるの?仕組みをわかりやすく

2019.11.01

ホワイトニングで歯が白くなる仕組み

ホワイトニングで黄ばんだ歯が白くなる理由は2つあります。

1つは、黄ばみの原因である着色物質の沈着を分解により着色物質が減るためです。

ホワイトニング剤は、消毒などで使われるオキシドールに含まれる過酸化水素を主成分としています。過酸化水素は着色物質を細かく分解する作用を持っています。着色物質が細かく分解され目立ちにくくなることで黄色い歯が白くなります。

ホワイトニング剤に含まれる過酸化水素が高濃度になればなるほど白くする効果がアップします。着色物質の沈着は常に発生しているので継続的にホワイトニングをしなければ黄ばみが戻ってしまいます。

2つ目は、歯の表面のエナメル質が曇りガラスのようになり、内部の着色部が外から見えにくくなるためです。

エナメル質の内側には黄ばみにみえる象牙質があります。エナメル質が薄くなり黄色みがかった象牙質が見えてしまうことで歯が黄色く見えます。
ホワイトニング剤には、エナメル質の表面に細かな凹凸をつくり曇りガラス状にします。透明な窓ガラスだと外から内部が見えてしまいますが、すりガラス(曇りガラス)だと内部がぼんやりとしか見えません。
ホワイトニング剤による効果は透明なガラスを曇りガラスに置き換えるのと同じで、内部の着色部が見えにくくなり歯が白く見えます。

1つ目の理由とは異なり、歯を白くしているのではなく、歯の着色部を隠して白く見せています。

歯が汚れる主な原因

ホワイトニングを行っても、継続しなければ白い歯を継続できるわけではありません。歯は再び汚れてしまいます。

たとえば、再着色および再石灰化によって白い歯は元の汚れた状態に戻ります。

再着色とはその字の通り、再び着色されることを意味します。歯の表面にあるペリクルとよばれる薄いたんぱく質の被膜が着色や虫歯を防ぎます。

ペリクルがはがれたホワイトニング直後は着色しやすい状況になります。ペリクルは1日程度で再生するのでその間は着色しやすい食べ物は避けた方がよいでしょう。着色しやすい食べ物をによって歯の表面に着色が積み重なり、歯の内部に沈着がおこると黄ばみとなります。

ホワイトニングを行い、エナメル質の表面を曇りガラス状になっても、時間の経過とともに元の透明な状態に戻ります。エナメル質は脱灰(ミネラル分の消失)と再石灰化(再形成)を繰り返しており、再石灰化作用によって、元の透明な表面に戻り、内部の着色部が見え汚れたようにみえます。

まとめ

ホワイトニングによって歯が白く見える理由を解説しました。着色物質の沈着を分解することで、汚れを除去しています。またエナメル質の表面を曇りガラスにすることで、内部の着色部を見えなくしています。どちらも一度ホワイトニングを行えばずっと効果があるわけではなく、着色物質の沈着により歯の表面が汚れたり、エナメル質が透明な表面になり内部の着色部が透け歯が汚れて見えます。